■本編:6話『三年生後半・もうすぐ卒業』
ルシマ
「おはようございます、ルシマです(ぺこ)。今年も残すところ、あと5日となってしまいました。それは、私が学生でいられる残りの時間も同じです。ああ、もうあと5日なんですね…。不思議な感じがします。この三年間、いろいろありました。一年目はルヴィ君に遊びに誘ってもらえなかったけれど、二年目では3回も誘われて…、そして、今年も年始に1回誘ってもらいました♪ そんなルヴィ君と3年間一緒にお勉強して、時には隣同士で勉強を教えあったり…ルヴィ君を見ているだけで、どきどきわくわくしました。それに、ジャム議長が本当に素敵すぎて、夜の試合なんて議長さんが出場してたら見逃すことなく毎回足繁く見に行ってました。もちろん、それもルヴィ君と一緒にです。…私はとっても満足です…(*´▽`*)」

アストール
「そうか、良かったな、ルシマ…(うん、ルシマが幸せそうなら、それだけでいいんだ、…うん)」

ルシマ
「あ、アス! おっはよ〜。今日は休日だね。これから遊びに行くの?」

アストール
「いいや。ただ、ぶらぶらっと散歩にきただけ」

ルシマ
「そっか。アスって昔から一人でいるのが好きだもんね」

アストール
「別にそういうわけじゃないんだけどな…」

ルシマ
「アスってさ、なんでも一人でできて、クールで知的で大人って感じで…、双子なのに、どんどん先にいかれちゃってて、でも、私はぜんぜん追い着けなくて…(顔を伏せる)」

アストール
「ルシマ…?」

ルシマ
「(顔を上げて)だから、私も早く大人にならくなくちゃって思ってたんだ。だから、この移住はちょうど良い機会だったんじゃないかって思ってるの」

アストール
「…そんなこと、思ってたのか」

ルシマ
「ええと、うん。…って、初めてこんな話しちゃった…。ちょっと、恥ずかしいなあ;」

アストール
「…。あのさ、でも、違うんだよ。おれはさ…、本当は、おれはルシマがいなかったら、そんなふうにできなかったし、ならなかったと思う」

ルシマ
「え、どうして?」

アストール
「…だからさ、ええと、その…、ルシマに良いところを見せたかったっていうかー、一応、双子といっても兄だしさ、ええと、その…。だから、お前をさ、ずっと守っててやりたくてだな、その…」

ルシマ
「うん、ありがとう。これまでずっと守ってくれて^^」

アストール
「う…///」

ルシマ
「でも、これからは大丈夫だよ。私、これでも前よりも強くなったんだから! んと、それでもアスよりも弱いかも、だけど…(しょんぼり)」

アストール
「…。…。いや、そんなことない。強くなったよ、お前は(ルシマの頭を撫でる)。
(…誰のおかげかはわかってるけど、言いたくないから言わないけどな。ふん…)」

ルシマ
「そうかな? ありがと、アス」

アストール
「今日は結婚式があるみたいだぜ。あいつを誘って見に行ってみたらどうだ? 予行練習がわりにさ」

ルシマ
「え!?///」

アストール
「あいつ、学舎のほうでユナンやミレイとしゃべってたからさ。行ってこいよ」

ルシマ
「うー、アスからそんなこと言われるなんて思ってなかったなぁ。ていうか、別にルヴィとはそんなんじゃ…(ごにょごにょ)」

アストール
「ん? おれ、別にあいつ=ルヴィースだなんていってないけど?(にやにや)」

ルシマ
「煤i@@; あ、アスが意地悪言った…!(汗汗)…うー、なんか、凄く恥ずかしいんだけど。ん、まあ、いいや。じ、じゃあ、行ってくるね!」

アストール
「おう、じゃあな(手振り)。
…。
…はぁ。何やってんのかなー、おれ」

ネリー
「愛のキューピッドってやつじゃなあい?」

アストール
「うわっ!?(@@) って、お前かよ、驚かせるなよな」

ネリー
「なになに、珍しいんじゃな〜い、そんなふうにルーの肩押しするなんてさ。どんな心境の変化でございましょ??(にまにま)」

アストール
「…別に、変化も何も。おれはルシマが笑顔でいられるならそれでいいんだよ」

ネリー
「へーえ、ほーお…。ルーのこと、諦めたの?」

アストール
「諦めた、って…誤解まねくような言い方するなっ; おれは、あいつは昔から可愛い妹、それだけだ!」

ネリー
「のわりにけっこう際どい独白とかあったじゃなーい?」

アストール
「う…;」

ネリー
「あははっ♪ あー、でも、そっかそっか〜妹離れ、するんだ♪ ほーお」

アストール
「なんだよ、にやにやして気持ち悪いなぁ…」

ネリー
「ん、ま、なんにしても。わたしはやっぱりジマに入るからねっ!」

アストール
「はあ? やっぱりってなんでそれが関係してるんだ?」

ネリー
「んで、君をぼっこぼこにのしてやるのだ! さあ、今から、覚悟してなさいっ♪」

アストール
「だから、なんでおれがお前にぼこぼこにされなくちゃいけないんだよ。…ったく、ホント変な奴」



<そして、学舎へ行ったルシマは…>

ルシマ
「あ…」

ユナン
「だからさー、ここでエアスラーッシュ!」

ルヴィース
「違うって、ここでステップブロウ!がいいんだって!」

ユナン
「むむ。ま、そういうのもありかもだけども…」

ミレイ
「んーとね、僕ならそこで絶対逃げる〜。だって痛いのやだもん」

ユナン
「いや、試合中に逃げてどうすんだよ;」

ルヴィース
「…なあ、ミレイ。悪いこと言わないから、ジマに入るはやめてミダにしといたほうがいいって。な?」

ミレイ
「いいの! 絶対ジマに入るの。今から鍛えてるんだよ、ほら!(腕に力をいれるが、全然堅くならない。笑)」

ユナン
「…ミレイって筋肉つかないタイプなのな…。それに比べて、ルヴィのほうはすっげー筋肉ついたよなぁ(腕を軽く叩く)。うわ、かたっ」

ルヴィース
「ん? そうか〜?(得意気)」

ミレイ
「あ、本当だ、かたいねぇ。
(へちへち。ぺちぺち。べちべち! ばちんばちん!)
? あれれ、ルヴィ、痛くないの??」

ルヴィース
「ミレイ、今ので最高の力なのか…?(汗汗)カワイソーだ…;」

ユナン
「あーあ、ルヴィって背もでかくていいよなー。おれもでっかくなりたいなー。ふふん、でも、まだ足の速さでは負けてないからなっ!」

ルヴィース
「足の速さだって鍛えて上をいってやるからなっ!(わくわく)」

ミレイ
「僕も負けないもん!」

ユナン
「…いや、人には向き不向きがあるから。ミレイは、せめて仕事のほうがいいって、絶対。なぁ、ルヴィ?」

ルヴィース
「いや、俺に振られても困るんだけどさ…」

ミレイ
「むぅ…。…って、あああーー! ルーちゃんだ。ルーちゃーん♪ おっはよー!(*^^*)」

ユナン
「ん? あ、ルシマちゃん、おはよー♪」

ルヴィース
「おはよう、ルシマちゃん(^^)」

ルシマ
「おはよう、三人とも。武術のお話?」

ユナン
「そうそ。ルヴィとね、戦術の話してたのー。おれは剣術が好きだけど、ルヴィは体術贔屓だからさ。どっちが有利かなーとか、いろいろ」

ルシマ
「ふぅん…」

ミレイ
「で、最終的には逃げるが勝ちってことで落ち着いたんだ〜」

ユナン
「いや、だから、試合中に逃げられないってば;」

ルシマ
「あはは(^^;」

ユナン
「そーいや、この間は聞かなかったけど、ルシマちゃんはどこのショルグに入るの?」

ルシマ
「あ、私はミダに入ろうと思って…。剣とかあんまり得意じゃないし、えとそれに体術も、だし…」

ルヴィース
「うん、ルシマちゃんはミダのイメージだから、それを選んでくれるみたいで、俺、嬉しいっ♪」

ユナン
「そうそ、ルシマちゃんにミダ以外は似合わないよなー。んじゃ、おれ達はこれで…(ミレイの腕を持って行く)」

ルヴィース
「ええ、なんでだよー?」

ルシマ
「え、ユナン君達、行っちゃうの?」

ミレイ
「うええええ!? なんでー!? 僕、もっとルーちゃんと話がしたーい!><」

ユナン
「はいはい、話すのはまた今度。とりあえず、お邪魔虫は消えましょ♪ってことでサ。ではでは、二人の時間、ゆっくり楽しんでね〜♪(そそくさと退場)」

ミレイ
「僕、お邪魔虫じゃないもんっ! ユナン、放してよー…(ユナンと一緒に退場)」

ルヴィース
「はっ!?(@_@; ち、ちょっと待てー!
…。
…あー、ユナン、なんか変なコト言ってたよな…。あ、えーと、あんまり気にしないでくれな?」

ルシマ
「う、うん…」

ルヴィース
「あ、えーと、ルシマちゃんは何しにきたの? 誰か探しに?」

ルシマ
「えと、別に用事はないんだけど…。あ、る、ルヴィ君…、あの…」

ルヴィース
「ん?(首かしげ)」

ルシマ
「(な、なんかいつも以上にドキドキする〜///)ええと、今から私とワクト神殿に行ってほしいなぁ、なんて…駄目だったら、いいんだけど…」

ルヴィース
「ワクト神殿? …なんだ、いつもの遊びの誘いだったんだ(なんかルシマちゃん、妙にもじもじっとしてるからなんか別のことかと思ったけど…)。駄目なわけないよ! もちろんオッケー!(^^) じゃ、早速行こっ」

ルシマ
「あ、ルヴィ君、待って! あのね、今、ワクト神殿で結婚式やってるの…」

ルヴィース
「え? 結婚式?」

ルシマ
「うん…、だから、静かに…」

ルヴィース
「そっか、分かった。じゃあ、静かに見ような」



<二人が行くとワクト神殿ではちょうど結婚式の山場にさしかかっておりました>

ルシマ
「…あ、ちょうどワクトの神々に誓いあってるとこだ…」

ルヴィース
「…静かにしなきゃな…」


<そして、そんな二人を柱の陰から見守る二つの陰>

ネリー
(うふふ、きたわよーきたわよー♪)

アストール
(って、まてよ。どうしておれがつき合わされてるんだ?)

ネリー
(いいの、君も付き合うの。ルーをふっきる良いチャーンス!)

アストール
(いや、だからさ…おれは、もう…)

ネリー
(のわりに、けっこー落ち込んでるように見えるけどー?にやにや)

アストール
(う…)


ルシマ
「…(じっと花嫁さんを眺めている)」

ルヴィース
「…(ルシマと同じく)」


ネリー
(お、偉い、偉い! 二人で静かに式見てるわよー。ほらほら。ルヴィもさ、こうしてみてると二枚目なのよねっ。いつもなんかこう、元気でおしゃべり好きなイメージ強いけどさ)

アストール
(む…。…ああ、そうかよ。どうでもいいよ)

ネリー
(あ、でも、アスも顔だけはけっこういけてるからだいじょーぶよ♪)

アストール
(って、お前、なんで『アス』って呼んでるんだよ。しかも、顔だけは、ってなんだ、『だけ』って!?)

ネリー
(しー、静かにするの!)


ルシマ
「(結婚式の様子を眺めている、ルヴィ君のほうをちらっと見る)
(なんか…。ルヴィ君、さっきユナン君が言ったとおり、身長も伸びてきたし体つきとか最近になって急に男の子っぽくなったよね…そうだよなあ、来年成人だもんな…)
(そして、無意識のうちに、ルヴィ君の腕に触れていた)」


ネリー
(うわうわうわー! アス、見てみてみて、ルーからルヴィ君に触れたー♪ なかなかだいた〜んv)

アストール
(…ななな、なにいー!?(@@))


ルヴィース
「ん? なにー、どうかした?」

ルシマ
「わわわわわー!(慌てて放す)ごごご、ごめん!///えと、な、なんでもないから…(な、なんか、男の人って感じだった…。どきどき///)」


ネリー
(あーあ、手、放しちゃった…。ちぇ〜…、なんでこのまま手を握らないのよぅ。意気地なしね。ルヴィも握り返すなりすればいいのに!)

アストール
(ほっ。…って、なんで安心してるんだ、おれ…(セルフツッコミ)。
そうだ、おれは、ふっきるんだ、ふっきるんだ…。
ていうかお前、あいつらまだ未成年だろ。そういうのは成人してからだろうが)

ネリー
(む。そんなことないわよーぉ。今は若者達もおませな人が増えてるんだからー)

アストール
(いや、だからプルトのシステム上だな…)

ネリー
(む。システムなんて創作の中では関係ないのよー。ぶーぶー)


ルヴィース
「…?」

ルシマ
「ん、どうしたの?」

ルヴィース
「んっ、なんでもない。
(気のせいか? なんか、聞きなれた声が聞こえたような気がしたんだけどなー?)
…なんか、結婚式ってあれだよな。うー、うまくいえないんだけど、ぴりっとしてるっていうかさ…。ワクト神殿って…もともとなんかこう、緊張する場所ではあるんだけど…、なんてゆーかさ」

ルシマ
「うん、結婚式って神聖なものって感じがするね。凄く緊張する。でも、花嫁さんも花婿さんも、凄く幸せそう。衣装も凄く綺麗で…」

ルヴィース
「うん、だよな。俺もいつかこうやって女の人を隣に立たせるのかなー?」

ルシマ
「(どきっ。ルヴィ君の隣に立つ女の人…)」


ネリー
(おおおお! ルヴィ、そこだ。そこでルーを隣に立たせたいっていうのよっ♪)

アストール
(…。←自分が二人の行動に一喜一憂していることに大分落ち込みかけている。笑)


ルヴィース
「なーんか、今はさ、自分が結婚するってよく分からないんだけどさ、でも」

ルシマ
「でも?」

ルヴィース
「たぶん、遠い未来のことじゃないだろうなぁ」

ルシマ
「だね…。
(もし、もしそんな日がきたとしたら、私の隣にたつのは、隣に立ってほしいのは…)」


ネリー
(うううううう、さっきから、すっごいもどかしいっ。なんなの、なんなのよー。この二人! 狽ヘっ、も、もしかして、二人ともそろいもそろって天然なわけ!?(@@;)

アストール
(…いや、確認するまでもなく、そうだと思うけどな…)

ネリー
(いや、分かってたけど、分かってたけど…! ああ、もう…!(*>△<*))


ルヴィース
「?
(やっぱ気のせいじゃないよな?)
あのさ、なんか、さっきからあっちの柱の陰のほうから、声聞こえる気がすんだけど…。
(ネリー達のいる柱のほうを指差す)」

ルシマ
「え? そうかなあ。私は何も聞こえなかったけど」

ルヴィース
「いや、やっぱり。なんか、人が、いる?」


ネリー
(あわわわわー(@@ き、気付かれたーっ)

アストール
(な、なにっ(@△@;←いろんな意味でショック)

ネリー
(る、ルヴィったら意外と鋭いわ…。って感心してる場合じゃない! 覗き見がばれるなんていくらなんでもサイテーすぎるーっ; アス、もっと奥に隠れてっ)

アストール
(こんな丸の柱でこれ以上奥なんかあるわけないだろっ)

ネリー
「あああ。じじ、じゃあ、なんか考えてよーっ!」

アストール
「そ、そんなの急に思いつくはずないだろっ!」

ネリー
「何よ、君、頭いいんじゃないのっ!?」

アストール
「それとこれは話が別だっ! だいたい、お前が無理やりおれをここに連れてきて…!
…。
…って、待て…!煤i ̄□ ̄;」

新郎
「…」

新婦
「…」

<その他たくさんの参列客からも注目されている二人>

ネリー
「あ…あわわわわ(><;;;;」

アストール
「…(泣きそう)」

ルシマ
「あ…。え、と…。ネリーちゃんに、アス?(汗)何してるの…?」

ネリー
「あ、あはは…。ど、どうも〜♪(滝汗)」

ルヴィース
「結婚式中に大きな声だすなよな。非常識だろ〜?」

ネリー
「はははは…。ご、ごめんなさい…」

アストール
「うう…。なんか、もう…いろいろショックすぎて、これからどうすればいいのかな…」



<そのあとは、つつがなく式が終了>

ルシマ
「ねね、ルヴィ君。あの二人ってさ…」

ルヴィース
「うん。けっこー、仲良さそうだよな」

ルシマ
「ネリーちゃんもいつもの通りに戻ったみたいだし、ちょっとだけ楽しみだな〜♪
(だって、二人が結婚したら、この国でもアスと本当に兄妹だって認めてもらえるんだもの。うん。楽しみ♪
…ん? ち、ちょっと待って。なんで兄妹に戻れるんだろ? 別に私がネリーちゃんと兄弟じゃないのに。おかしいな…。うーん。)」

ルヴィース
「ルシマちゃん、どうしたの?」

ルシマ
「ううん、なんでもないのっ。ね、ルヴィ君、学生時代、とっても楽しかったね(^^)」

ルヴィース
「ああ、とっても楽しかったな(^^)」

<本編:6話『三年生後半・もうすぐ卒業』おしまい>

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