■第十一話『今までも、これからも』

ウィローは散歩をしながら考えていた。
あれからもう何年経過しただろう。
6人兄弟、いや、7人か。
その賑やかな7人兄弟のうち、もう残っているのは自分とアヤメだけだ。

思い出してみる、自分の兄弟達を。


ウォルナット兄さんは、双子を二組も授かったのに、両親よりも早くあっさりワクトの元へ逝ってしまった。
ウォルナット
「ああ、悪かったな。約束やぶって。子供のことは心残りだが、俺はアクの強い兄弟達から解放されたことは素直に嬉しかったぞ。…って、なんだ、その疑わしげな目は。本当だぞ? ほ、本当なんだぞ!? お前達など、お前達なんかなあ…!」


確認するまでもなく、一番兄弟離れできてないのは、絶対ウォルナット兄さんだろう。




サルファー兄さんも、実際のところ優しいのか腹黒だったのか分からないままだった。
サルファー
「おやおや、何を言ってるんだい、ヤナギ。僕はいつだって良い兄さんだったろう? それなのに、そんなこと言うのはこの口かい、ん?(にこやかな笑み)」


ごめんなさい




コハクは相変わらず最期までコハクのまんまで、腹が立つことこの上ないし。
アンバー
「あら、いやあね〜。ヤナギちゃんってば、いつまでたっても口のわるい子。わたくしもサルファ兄貴のように口を広げようかしらぁ。ったく、少しは素直に悲しめよ。ま、いいけどさ。お前はそんなもんだよな。なあ、素直じゃないところが、逆にかわいい我が弟君?(にやにや)」


…。
やっぱりむかつく。




…ああ、そうだ。ソラも、相変わらずだった。母さんには適わなかったみたいだけど、いい年こいていつまででもはしゃいでて子供みたいだった。それにいっつも聞かされるのは、奥さんの惚気ばっかし。はっきりいってうざい。
アズール
「なんだよー、これは子供っぽいんじゃなくって、少年の心を忘れてないっていうんだぞー。ばっか、惚気はやってあ・た・り・ま・え♪ ミッキーは、年とっても可愛いんだな、これが〜。こんな女性をゲットした自分、褒めてあげたいね、えへん。って、何なに、ヤナギ、その言い方はさあ。あ、お前、もしかして奥さんとうまくいってなかったり? なんだよ。それならそうっていえよ。ここは一つ、兄ちゃんが人肌ぬいで相談にのってやろうじゃないか! さあ、いえ、どんといえ! 遠慮はいらん。きばってぶつかってこーい!(頭なでなで)」


ちょっと身長が高いからって頭撫でるな、この野郎。
(ちなみに身長順は、サルファー>アンバー>アズール>ウォルナット>ジェイド>ウィロー)




・・・。





ていうか、おい、なんだこの思い出の数々は。
普段の「愉快な仲間達」とかわらんノリではないか。
思い出というのは、かくも美しくあるものではなかったのか?
今回が最終回なんだぞ。プレーヤーは分かってるのか?
そうだ、そうだとも。
美しい思い出。美しい思い出。ええと。


…自分に一番近かったヒスイ。
食事のこと以外では、にこにこしてることが多くてほとんど怒らなかった。絶対、優しすぎて痛い目みるぞ、と思ったら、案の定失恋してるし。
だいたい、成人後のことも理不尽だとは思わなかったのか、このヒスイが。
(一応、自覚はあったらしい)
ジェイド
「自覚あるんなら、あんなことしないでほしいなあ。
…。
… …。
って、あの、ぼくの台詞、これだけ…?
そ、そう、これだけなんだ…。あはは…。はは…(泣)」


ふぅ。よし、少しは綺麗になったな。
大体、皆して若すぎなんだ。この馬鹿兄弟が。
これだけ兄弟がいて平均寿命以上は自分だけか、とプレーヤーでなくても突っ込みをいれたくなる。


ちなみに、父さんと母さんは二人して長生きした。
そのかわりに、子供を先に送り出すはめになってしまったのだが。
そういうの、少々嫌だな。
ちなみに順番は母さんが先で、その後が父さん。父さんは多分、母さんがもう少し生きられたら、もう少し長生きできたろう。
両親に似てなくてよかった、とプレーヤーはほっと胸を撫で下ろしたようだ。
相も変わらずのラブラブぶり(?)も、晩年まで健在だった。

…あれは、ラブラブと言ってよかったのだろうか?
…。
そうか。プレーヤーによるとあれはあれでラブラブだったらしい。

ファレーネ
「ね、ね、アムラーム、明日、デートしましょうね(蒼白い顔で迫るファレーネ)」
アムラーム
「っていうか、ふ、ファレーネ、大丈夫なのかい?(汗汗)」
ファレーネ
「だ、大丈夫よ、け、計算では、あと一日はもつはずだから…(ぜーはーぜーはー)」

(そして次の日)

ファレーネ
「…はずだったのにー! ひどい、ひどい、どうして今日危篤になるのよぅ(泣)」
アムラーム
「お、大人しくしてないからだよ…、多分(^^; この間も、よくコーク杯優勝できたね」
ファレーネ
「合言葉は気合と根性と執念よ」
アムラーム
「そ、そうだね…(むしろ、それが恐ろしいよ、僕は;;;)。ほら、もう、いいから、寝てなさい」
ファレーネ
「ええ、そうするわ」
アムラーム
「じゃ、僕は約束の場所に行ってくるかな」
ファレーネ
「というか、あなたを大通り南に独り待ちぼうけにしちゃうなんて…、NPCみたいなことしてるわね、私。うう…」
アムラーム
「いいんだよ。じゃ、行ってきます。…ファレーネ、待ってるよ」
ファレーネ
「うん…」

ファレーネ
(アムラームはいつだって、優しい。私の人生、あなたのおかげでとても楽しかったわ…。ありがとう…)

…。
まあ、最期くらいはな。母さんも素直になったようだ。

アヤメ
「あら、ヤナギお兄ちゃん。お久しぶり。散歩?」
ウィロー
「アヤメか。久しぶりだな。まあ、そんなところだ」
アヤメ
「あ。散歩しながら、皆のこと、思い出してたりする?」
ウィロー
「…」
アヤメ
「やっぱりそっか。わたしもね、ちょっとだけ思い出してたの。賑やかな一家だったなぁ、って。もうあれから何年も経過して、わたしもすっかりおばあさんね。ヤナギおにいちゃんも、頭がすっかり薄くなっちゃって…。ていうか、その髪型って剃ってるの?」
ウィロー
「ああ。… …っていうか、頭のことは聞くなと言ったはずだが」
アヤメ
「あ、そうだっけ? うふふ」
ウィロー
「…」
アヤメ
「なんだかんだいって、お兄ちゃんってめろめろに甘いよねー。本当は、凄く優しいんだ。アンバーお兄ちゃんの言ってた通り。子供もすごい溺愛してるって聞いたし。でも、ギャップあるよね。」
ウィロー
「…」
アヤメ
「あ、照れてる? 照れてる?」
ウィロー
「どうでもいいだろ。…しかし、あれだな。俺とアヤメだけではボケがいないから、いつものノリを維持するのは無理だな」
アヤメ
「だよね。もの凄く普通。むしろほのぼのした展開だよね。そろそろしめとこっか?」
ウィロー
「そうしてくれ。むしろどうしておれが最後の語り役に選ばれたのか甚だ疑問だ

始まりは、女の子が欲しいの妻の一言。
けれど、結局誕生したのは男の子で、6人兄弟になって。
後に養子の女の子を迎えることになって、ようやく娘ができたと喜んだ妻ファレーネ。
呆れながらもやっぱり嬉しく思っている夫アムラーム。
弄られ役だけれども、なんだかんだいってしっかり者の長男ウォルナット。
どこか二面性のある兄弟最強と言われている二男サルファー。
お調子者でときどきお姉言葉になる三男アンバー。
元気一杯、いつまででも子供っぽい四男アズール。
弟の毒もなんのその、とても優しい五男ジェイド。
毒舌家で、けれどもその実は思いやりのある六男。
そして、思いもがけずこの家にやってきた養子のアヤメ。

これは、プルトにどこにでもいる夫婦とその個性的な子供達の物語。
これは、そんな賑やかな家族の一つの結末。





アンバー
「はい。っつうわけで、ここまで読んでくれた、俺ファンの全国1000人のお嬢さん達(きらーん)、サンキューな(白い歯を見せながら、とてもさわやかに)。
プレーヤーってば俺がお気に入りのくせにあんまり出番増やせなかったもんだから、こんなところで登場させてやるっだってよ。
ふっ…、これぞ、小さな親切大きなおせっかいっつーやつ?(泣)
大体、実際のところキャラは本編で活躍してなんぼのものよー? だから、俺としてはやっぱ出番増やしてほしかったわけですよ。ま、あれだけキャラいるとしゃあねぇけど。っつか、思ったよりもソラの出番があんのがなんかなあ。お袋じゃねーけど、まさに…。
「ソラのくせに生意気」
あら、でも、誤解はしないでね。わたくし、これでもソラとは仲は良いのですのよ。ええ、とっても(にっこり)。
ところで、これを見ている人は、誰がお気に入りだった? やっぱ、プレーヤーもそれが気になるそうだぜ。ちなみに、反応もらえた中では、やっぱり、俺人気が一番高かったらしい。うふふ、さ・す・が、わたくし。嬉しいですわ〜。投げキッス、贈っちゃう♪ ほらほら、そこのお姉さんもお兄さんも遠慮なさらないで♪

(こほん)

はてさて、プレーヤーの代弁者っつーわけで、少々真面目にいっときますか? 拙いながらも、ここまで目を通して下さった訪問者の方には、本当に感謝感激、雨あられ。あ、少々古かったか? 気にしない。気にしない。気にしたらはげるぜ〜。ほらほら、そこの旦那、生え際危ないよ〜。
ま、それはともかくとしてだな、後から読み返したら…。
『何、これ!?』
『テンション高!』
『ノリだけで書いてるとしか思えないヨ!』
『もしかして、某銀魂みたく(伏せてねぇ)ちょっぴり良い話目指してんの、この創作!?』
って感じだったよな。
なんだろな、マジで。もっと統一性をもたせりゃいいのに。大体よ、途中で趣旨がえなんて、駄目駄目じゃねえか。とはいいつつも、比較的空っぽの頭を捻りつつそれなりに頑張ってたらしいから、そこら当たりは汲んでやってくれ。途中からプレイが安定してくると、ネタらしいネタもねぇしな。
結果として、こんな具合の締めになったが、どうなんだろうな、これも。これでも前の流れをそのまま引っ張るのが大変だったらしいぞー。だってな、ここのプレーヤーが、やっぱり最期の場面っていうのは、どうやってもシリアスになっちまうらしいくて。それまでのノリをそのままで、っつーことで頭ひねって考えた末だったそうだ。

ま、なんだな。こんなとこだ。ここのプレーヤー、キャラに会話させんのめっちゃ苦手だそうだから、頑張ってたというのは認めてやってくれや。
っつーわけで、これにてこの話はおしまい。まあ、なんかの拍子にまた俺たちが表に出ることがあるかもしれないけど、その時はよろしく頼むぜ。また俺たちのように創作のネタになる犠牲者が出ないことを祈りつつ。とりあえず、別れの挨拶は再開の願いをこめて、これにしとくか。
シーユー!(爽やかに退場)」










アンバー
「ふぅ(タオルで汗をふきふき)。
って、なんだ、プレーヤー。何か他にあんのか? 我ながら、綺麗にしめてやっただろー。
…。
…はい? 最後にオチつけろって? 本来はあんたがやらなきゃいけないのを俺に押し付けておいて、そこまで要求するか!? それに、こういう楽屋ネタってのは、ピンキリなんだからな、適度なところでやめておかなきゃお客さんが萎えちゃうでしょうが。分かってんのか? これ以上のオチなんてつけねーからな。本編で出番が少なかったのに、こういうところでだけ人使い荒すぎだっつーの。ったく、もう…、だから、俺は絶対にやらないからな、大体、こんなことだから…、って、おい、プレーヤー聞いてんのか〜…(ぶつぶつ言いながら本退場)」

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