■下準備編:2話『双子の子供達』
オレグ
「やあ、こんにちは。お嬢さん達。そう、僕はみんなのお兄さん、オレグ・ツァスタバだよ。今回は早めに再開できたね。僕もとっても嬉しいよ。
っと、今回は静かに静かに…。というのもだね、現在レイド君を尾行中なのだー。ふふん。僕ってば何をやらせても器用だからね。隠居したら探偵業をやってもいいかもなんて思ってるんだ(きらーん)。って、プルトに隠居なんてないって? 気にしない気にしなーい。
で、なんでレイド君を尾行してるかっていうと、まぁ、話すを長くなるようなそうでないような感じなんだけどさ、実はねー、レイド君ってば、仕事仕事で普段はぜーんぜん家に帰らないの。ネープルスちゃんに悪いと思わないのかねー? でもね、今日はちゃーんと自宅に帰るのを僕は知ってるのさ。ふふん。なぜなら、今日はレイドの双子のお子さん達が歩き出す日だからであります! でね、今日は、歩き出した双子を見て、レイド君がどんな反応を示すか観察しようと思って。どうせ事情を話してついていっても、途中ではじき出されるの分かってるからさ。こうしてこっそりつけていって、素直な反応を楽しむのです。実は、レイド君ってああ見えて子供好きなんだよね。この間、ジクート君やシャッド君と楽しそうにおしゃべりしてるの見たもんねー。

…っと!(隠れる)」

レイド
(振り向きつつ)
「なんか、さっきからぼそぼそと声が聞こえてるんだが…気のせいか?」

オレグ
「ふぅ、危ない危ない。見つかったら、元も子もないよねー。ちなみに、レイド君の自宅はガアチ区東。リム所属なのに、よりもよって一番遠くなわけですよ。これが家になかなか帰れない理由の一つでもあったりもするんだけど。あ、歩き出した! 追わなくちゃ!」

エマリー
「誰のストーカー?(オレグの隣からにゅっと登場)」

オレグ
「おあああ!」

エマリー
「何してるの、あなた」

オレグ
「お、おどかさないで下さいよー(;;)。マジでびびりましたってば」

エマリー
「あれれ、前に見えるはレイド君じゃなーい。あなた、用事があるんじゃないの? なんならあたしが呼んで…(もがもが)」

オレグ
「だから、尾行してるんですってば! 静かにして下さい!」

エマリー
「だから、なんで?」

オレグ
「一番最初の僕の台詞を参照されたし」

エマリー
「見事にはしょったわね…。ま、聞かなくても事情は知ってるわよ」

オレグ
「…。じゃあ、最初から聞かないで下さい。ていうか、遊ばないで下さい。で、エマリーさんこそ、なんでこんなところで登場してるんです?」

エマリー
「不本意ながら、あたし、今日はあなたの助手だから」

オレグ
「な、なんですとー!?煤i ̄□ ̄;」

エマリー
「だって、最近男ばかりで華がなかったでしょう? さあ、では、参りましょうか、元義弟君?(にっこり)」

オレグ
「うう…(;;)。どうせならシャイで優しくて、ついでにファザコンなアウローラさんが良かった…(ぼそぼそ)」

エマリー
「あら、何かご不満でもございまして?」

オレグ
「め、滅相もございません…!(汗汗)」



オレグ
「あ、そういえば、エマリーさんもおばあさんになられちゃったんですよねー」

エマリー
「ええ。でも、孫に『おばあちゃん』なんて呼ばせないけどね(にっこり)」

オレグ
「笑顔で睨むなんて器用なことしないで下さい…(えぐえぐ)」

エマリー
「あたしはまだまだ若いのよ。今年の年末にはミダショルグ長就任が決定してるの。早熟なのに未だに強いのよ。きっとあなたと違ってレイド君に尊敬してもらえるわね。うふ」

オレグ
「…まぁ、いいんですけど。
そのお孫さんはアファル君の子供でしたよね? 結婚してないエーシェン君はどうしてます? 元気にしてますか? ぼく、彼だけが唯一の味方なんですけど」

エマリー
「あなた、エーシェンしか味方いないの? 可哀相な人…。まぁ、他の子達、みんな突っ込みだものね。エーシェンなら、この間、婚約したって鼻の下のばしまくってたわよ」

オレグ
「え!? 婚約!? 彼、恋人いたんですか!? できてたんですか!?」

エマリー
「失礼ねぇ。言っておくけど、いくら『イムみたいな性格』でもね、あたしの息子なんだからなんとかなるに決まってるじゃないの。それよりもレイド君の双子の子達の上の男の子のほうが危ないんじゃないの? だって、その子…名前忘れちゃったけど、お母さん譲りの『お花が好き』な性格だったわよね。いくらミダ持ちでも、もし、そっくりそのままの優しさ低めの『のんびり』じゃあ、難しいわよ。それに、ルヴィース君を養子にするんでしょ。もし、同年代になるとしたら、ルヴィース君はエナ欠3能だし、かなりの具合で女の子達が傾いちゃうと思うんだけど?」

オレグ
「いや、まだルヴィース君はいいですって。だって、多分ルシマちゃんとすぐに結婚するでしょうし。エナ持ってないから、魅力が高いっていっても結婚しちゃえばそこまでは…ですし。…問題なのは、ズーク君のところの3人目の息子かと」

エマリー
「ああ、プレーヤーもすっかり忘れてたっていうアレ」

オレグ
「です。ジクート君とシャッド君の入学式の日、プレイ終了間際の朝にヒットしたのをすっかり忘れちゃってたよ!オーマイガっ!っていうアレです。名前は確かズベイル君でしたっけ。全能で、お母さん譲りの『アイドル』な人気者で、国を引っかきまわすこと間違いなしって言われてるそうですよ」

(子供がヒットしたのを忘れてたのは、嘘みたいなホントの話です…。そうだよ。全能の男の子、ヒットしてたんでした。汗)

エマリー
「ま、なんだかんだといって全能大国じゃないし、なんとかなるでしょ。うちのエーシェンも結婚できたしねー」

オレグ
「てか、やっぱりエーシェン君が結婚できるって信じてなかったんじゃないですか…」

エマリー
「それにさ、プレーヤーの目的はルシマちゃんでルヴィース君と一緒に子供時代を堪能して、結婚することなんだから、問題なしでしょ」

オレグ
「…ふびんだなぁ、レイド君のところの息子君…」



レイド
「ていうか、あんたら何やってんだよ、そんなとこで」

オレグ
「おわ!?」

エマリー
「あらら、見つかっちゃった?」

オレグ
「あ、あっはっはー。レイド君、ご機嫌いかが?」

レイド
「ご機嫌いかが、じゃねえよ。ったく。人の跡をつけるなら、もっと静かにつけろよ。途中から会話が丸聞こえだっての」

エマリー
「まあ、見つかっちゃったものは仕方ないか。ねぇ、レイド君、最近どう?」

レイド
「最近どう、って。別に何もないですけど?」

エマリー
「奥さん元気?」

レイド
「元気…だと思いますけど」

エマリー
「会ったの5日前でしょ? もう少し家にちゃんと帰ってあげなさいな。内気な人だから口では何も言わないけど、本心は淋しいでしょうに」

レイド
「分かってます。来年はリーグ入りするだろうし、今みたいにやっきになって仕事するのもやめて、もっと家にいるつもりです。でも、あと少しなんです。あと少しで5000超えそうなんです!」

(この年の年間ポイントは結局5429ポイントでした。あと少しで5500だったのに…! 雨の日に仕事が遅くなるリムじゃ難しいですね…。やっぱり年間仕事ポイント稼ぐならバハかな?)

エマリー
「うん。まあ、なんだかんだといいながら、ここまできたんだものね。頑張れ」

レイド
「…あ、ありがとうございます…(思ってもみなかった応援の言葉に拍子抜けしたらしい)」

エマリー
「でさ、レイド君、あなたのお子さん達が歩き出す瞬間に、あたし達も立ち会っていいかしら?」

オレグ
「ち、ちょっと、エマリーさん! これは極秘任務で…」

レイド
「極秘任務…?(訝しげな目で二人を見る)」

エマリー
「ま、なんだっていいじゃないの。ほらほら、さっさと行きましょ。きっと二人の子だったら可愛いに違いないわよ」

オレグ
「…そ、そうですよね? うん。任務失敗だけど。ま、いっか〜。おっじゃましまーっす!」

レイド
「え、あ、おい! 待てってば、ちょっと、おい…!
…はーぁ(ため息)…本国での親父といい、俺の周りってこんな人達ばっかだ」



エマリー
「今、何刻?」

オレグ
「うーん、もう少しで日付が変わる頃だと」

エマリー
「そう。ところで、このお茶美味しわねぇ。レイド君がお茶煎れるのが上手いって本当だったのね」

レイド
「ありがとうございます。ところで任務って一体なんだったんですか?」

オレグ
「あ、気にしちゃだーめ、だーめ。もういいんだってば」

レイド
「でも、気になるんですけど」

エマリー
「あ、日付変わったわよ?」

???
「わーい。ようやく歩けるよ〜。えーい、くらえー、どらごんげいるー!」

レイド
「わっ、こら、ミレイ! 歩き出していきなりのどらごんげいるはやめろ!」

???
「って、ちょっと待って、ミレイ。知らないおじさんとおばさんがいるんだけど」

ミレイ
「あれ、れ…? …。うわーん、パパー」
(泣きそうな顔でレイドの後ろに隠れる)

???
「…ねえ、パパ、この人達、だあれ?」

レイド
(パパ、パパ…。パパか…。お父さんじゃなくて、パパ…)

(※ミレイが『お花が好き』、ネリーが『遊びのリーダー』です<性格)

オレグ
「うっわー、うっわー! ど、どうしよ。マジでカワイイ! どうしよ。可愛すぎる! プレーヤー大喜びだよ、これ! 画面の前で小躍りしてるよ、きっと!」

エマリー
「うん、そうね、かわいらしいわねえ(なでなで)。うちの子には劣るけどね」

オレグ
「今、さりげなく親バカであることを披露しましたね、エマリーさん。ま、いいんですけど。ねね、そっちのカワイイお嬢ちゃん、名前はなんてゆーの?」

ネリー
「わたし、ネリー。おじさんは?」

オレグ
「おじさんは、オレグっていうんだ。よろしくねー(*^v^*)。そっかぁ、ネリーちゃんかぁ。マジで可愛いなー(なでなで)。あのさ、もしも、もしもの話だけど、大きくなって、もしお婿さんができなかったら、オジサンのところへおいで? おじさんのお嫁さんにしてあげるよ♪」

レイド
(さっと、ネリーを後ろに隠す)
「ていうか、めちゃくちゃ怪しい人だぞ、あんた。大体それはプルトじゃ冗談にならねえから、やめろ」

オレグ
「さっきから地でまくりだね、レイド君…」

エマリー
「まぁ、プルトは年の差カップルの可能性はゼロじゃなくて、実際にありえない話ではないからね」

レイド
「絶対に絶対に、俺は認めないからな!」

オレグ
「…でも、たぶんさぁ、二人が成人する頃には僕もそろそろやばい年だと思うんだよね。そんな年齢だっていうのに、まだ再婚したばっかで、子供もいない僕なんだけど。あーあ、子供、カワイイなぁ。僕も早くほしーなー」



オレグ
「じゃあ、一息ついたところで、恒例のアレ、いってみよかー? やっぱり、聞いておかないとね。レイド君も気になるでしょ?」

レイド
「どうでもいい」

オレグ
「いんや、絶対気になってるはず! というわけでイッツ質問ターイム! ねね、二人とも、大きくなったらなんになる?」

エマリー
「それって、普通は親が聞くものでしょうに」

オレグ
「気にしなーい、気にしなーい。だって、このままだとレイド君、聞いてくれないもん。ねね、どうかな〜?」

ネリー
「わたしはね、ショルグ長!」

エマリー
「あら、まあ。ショルグ長? どんなところがいいの?」

ネリー
「大きくなったら、バグウェル倒すの。そのためには、まずショルグ長なの!」

エマリー
「ショルグ長にならなくても、Aリーグに上がってDD杯に選抜されればバグウェルと対戦できるけどね。道は険しいけど、頑張りなさい」

ネリー
「うん、ありがとう、おばさん!」

エマリー
「おばさんじゃなくて『おねえさん』よ。ね、ネリーちゃん(にっこり)」

ネリー
「う、うん、おねえさん…(汗)」

オレグ
「子供にも容赦ないなぁ、エマリーさん; で、ミレイ君は何になりたいの?」

ミレイ
「う、うん…。あ、あのね、ぼくは…(ちらっとレイドのほうを見る)」

レイド
「なんだよ、言いにくいことなのか? ま、まさか、このオッサンみたいな人になりたいなんて言うんじゃないだろうな! それは駄目だぞ!?」

オレグ
「僕って、とことん弄られ役だね。このデータの最初の対話のウォルターさんの反応は可愛かったなぁ。懐かしいなぁ…(遠い目)」

ミレイ
「そ、そんなこと言わないよー。え、ええと…。…みたいな人…」

レイド
「なんだって?」

ミレイ
「ぱ、パパみたいな人っ! パパみたいな人になりたいっ!///」

オレグ
「おやおや、カワイイこと言ってくれてるじゃないかー。ねぇ、レイド君?(にまにま)」

レイド
「…」

ネリー
「ねえねえ、パパ。そんなことよりも、わたし、お腹すいたの」

ミレイ
「あ、ぼくも、お腹すいちゃった〜。パパ、なんか食べたい」

レイド
「…」

エマリー
「あら、レイド君、ぷるぷるしてどうかしたの?」

レイド
「…」

オレグ
「ん、ホントだね、レイド君、震えてどうしたのー?」

ミレイ&ネリー
『パパー?』

レイド
「…ふ、二人とも、可愛すぎるぞー! ずっとパパのことをパパって呼んでいいぞ! むしろ、ずっとパパのままでいてくれ! 約束だぞ!?(二人まとめてぎゅ〜)」

ネリー
「パパ、苦しいよぅ!」

ミレイ
「パパー、ご飯ご飯!」

エマリー
「…」

オレグ
「…」

エマリー
「…ま、これはこれで、いいんじゃないかしら? どう考えても今のはプレーヤーがとりついてたけど」

オレグ
「…さっすがあのご夫婦の子供っていうか。血は争えないっていうかさ、レイド君も充分親バカ決定だね(にまにま)」

<下準備編:2話『双子の子供達』おしまい>

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