■第二話『五人目誕生。果たして結果は?』 出産日。大きな産声をあげて5人目誕生。 サルファー 「…で、男か女、どっちだったって?」 アズール 「さあ。おれ、まだ聞いてないよ」 ウォルナット 「今更、どっちだっていいよ」 アンバー 「あのさ、クルミの兄貴、5人目が誕生するまでには家を出るって言ってなかったっけ? どうしてまだここにいんの?」 ウォルナット 「コハク! 俺をクルミって呼ぶな!」 サルファー 「大体、母さん達も最初からクルミと呼ぶくらいなら、ウォルナットなんて名付けずに「クルミ」って名付ければ良かったのにね」 アズール 「あはは、確かにそうだよな」 ウォルナット 「イオウも、ソラも、いい加減にしないと本気で怒るぞ!」 アンバー 「あ、兄貴、やばいって。その言い方…」 サルファー 「…兄さん。今、僕のこと、「硫黄」って言ったね?」 ウォルナット 「あ、…」 サルファー 「ねえ、兄さん。僕が、兄さん以上に由来名が嫌いなことは知ってるよね。…兄さん?」 ウォルナット 「… … …(汗)」 : (しばらくお待ち下さい) : アンバー 「この家での最強がサルファ兄貴だってこと、クルミの兄貴もいい加減覚えりゃいいのに。そんなことよりもさ、実際、男か女かどっちだったわけ?」 アズール 「どうして2人とも部屋から出てこないんだろね。親父、誕生したらすぐに報告にくるって言ってたのにさ。…うう、じれったいな。おれ、聞いてくる!」 サルファー 「案外、また男の子だったから、母さんを抑えるのに大変なのかもね」 ウォルナット 「…」 サルファー 「おや、兄さん。もう体は大丈夫なんですか?(にっこり)」 ウォルナット 「…(汗)」 (何があったかはご想像にお任せします☆) : アズール 「…」 アンバー 「お、アズール、戻ってきたか。どっちだったって?」 アズール 「んん、やっぱ男だったって。ちぇー、残念。そろそろ顔が誰かとかぶるんじゃないかって、母さん、めちゃくちゃ落ち込んでたぜ」 サルファー 「やっぱり当たってたか」 ウォルナット 「…で、名前は?」 アズール 「ジェイド。ヒスイのことらしいよ」 アンバー 「いい名前じゃね? きっと、俺とセットで付けたな。某月の姫さん(もろバレ)のキャラ達を思い出したに違いねえ。もう少しして歩き出したら、どっかから取り寄せたか分からないメイド服を絶対に着せやがるぜ〜? 俺もガキの頃に着物に、割烹着に、ついでに変なマントも着せられたしな…(遠い目)。ほうき少女マジ○ルアンバーって一体何だよ…」 サルファー 「それ、元ネタ分からない人には意味不明だと思うよ。大体ここに来てる人でそれを理解できる人って殆どいないと思うんだけど。それに琥珀さんって、割烹着じゃなくて普通のエプロンじゃなかった?」 アンバー 「そんなの、俺は知らねーっつの」 ウォルナット (…だんだんと俺の胡桃や硫黄と比べると、まともな(?)名前になっていくのは気のせいか。気のせいなのか…。むしろ、そういうコスプレ(しかも女装)をやらされないだけ俺はマシなのか? いかん、頭が痛くなってきた。さっさとこんな家は出るに限る…そうだよ、一体全体、どうして俺はまだここにいるんだ…いや恋人とまだそこまで進行してないだけだけれど、俺はもしかしてこの家を居心地が良いと感じているのか…? はっ、まさかな、そんなバカなことがあるはずがない!! 大体こいつらが俺に何をやってくれた? 俺がおしめだって取り替えてやったこともあったんだぞ。慣れない子守唄だって歌って寝かしつけてやったんだぞ。夜遅くまで遊びに付き合ってやったのだって俺だぞ!? 学舎まで迎えに行ったのだって俺だぞ!? だというのに、どうして俺がこんなふうに「クルミ」というなんとも愛くるしい名で呼ばれる羞恥に耐えねばならんのだ…! 俺は感謝される立場にあるはずだ。そうだとも。こいつらは、目上に対する礼儀というのを分かっていない…! 近いうちにそれを分からせねば! ぶつぶつ(以下暫く続く)) アズール 「でさ。もう一人、頑張って作るんだってー。お袋、すんごい形相で親父に迫ってたよ」 アンバー 「あら、いやあね、女性のほうから迫るだなんて。恥ずかしいわ。わたくしとしては、楚々とした娘が大変好みなのだけれど、時代は積極的な女性のほうが求められてるのかしらん。…ていうか、お袋ってそんなキャラだっけ? 親父もカワイソー。…ま、これだけ生んで男ばっかりっつうのも、運がねーっつーかなあ。特に俺ら、それこそ全員、お袋似だし? 一人くらい親父に似てればお袋もムキにならずにすんだろうに」 サルファー 「男家系なのは、たぶんシグラッド家の伝統というか宿命ていうか、むしろ呪いだから仕方ないよ」 ウォルナット 「呪い?」 サルファー 「そう。最近まで気がつかなかったけど、僕らの祖に当たる人たちもばっちり5人兄弟。しかもずらりと5系。僕らとほぼ同じ。でも、僕らの5系は彼らからの遺伝じゃなくて、クレイグ国のアルヴィン・ボイドさんって人かららしい」 ウォルナット 「…お前詳しいな。言ってることはよく分からんが」 アズール 「…6人目を作るのはいいけど、また男だったらどうすんだろね」 アンバー 「…初めての7人目に挑戦するんじゃね? クルミ兄貴辺りを本格的に追い出しにかかってさ」 ウォルナット 「…」 サルファー 「兄さん、言い返さないの?」 ウォルナット 「…俺は、長年この家にいてもう疲れた。なんだっていいよ…。好きにしてくれ…」 というわけで、5人目も男の子なりました。でも、息子達が言っていた通り、頑張って6人目作成(笑)。そろそろ寿命も気にかかってきただけに、無事にできて一安心。 しかし、ウォルナットとアズールってマジでそっくりよね…。 上下にいるとどっちがどっちか分からない(笑)。 この時点での4人の年齢はですね。 ウォルナット→10歳(25歳) サルファー→9歳(22〜23歳) アンバー→8歳(20歳) アズール→7歳(17〜18歳) くらいであります。 この辺りからだんだん、キャラができてきました。クルミ兄ちゃんがちょっと哀れ(笑)。でも、きっとみんなから愛されてるはず。 第1話へ / 戻る / 第2話番外へ |